2023年7月13日木曜日

「あと1回」

 357名のお子様をお預かりしていると,全ての子どもが一律的に,定まった日課表で生活できるかといえば,正直なところそうでもありません。1つの行動から次の行動への移行がスムーズに出来ない子どもも多少います。一昔前までは「何やってるのー」と叱られておしまいでしたが,子どもの心(←私は,社会を映す鏡と捉えています)が複雑になった今,そんな単純なものではないと考えています。教頭先生が「もうー,休み時間は終わったよう-」と大きな声で声を掛けてくださいました。ところがPK合戦は終わりませんでした。そこで,教頭先生がもう一声掛けてくださいました。するとその少年,「あと1回」と応えました。そしてその少年,自分が宣言したとおり,1回ボールを蹴った後,児童玄関へと歩みを進めました。集団生活の視点からすると,当然課題が残りますが,一人の生き方からすると「之もあり」であると共に,成長過程の子どもからすると,自分で自分の行動を決められたという点から「合格」かも知れないと思った次第です。2年3組山本学級では,学期末のテストが行われ,担任が「はいどうぞ」とテストを1人一人に手渡すと,子どもたちは「ありがとう」と礼を述べて受け取っていました。こういうことを丁寧に指導するのも大事な教育。このように考えています。

2年生のテラスには,理科の観察で用いているプチトマトの鉢が,児童用玄関にはこれまた1年生の朝顔の鉢が,それぞれ持ち帰りの時を待っていました。