「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」 ー藤原敏行(古今和歌集収録)ー
そんな心境の朝でした。
校庭に視線を送ると,昨日の「係活動」をふまえ,早速,放送係とライン係が,係活動に勢を出していました。3か月前,教室前の花壇の草取りを一生懸命してくれた4年生が,「花壇の中に落ちていました」と言って,土の付いた100円玉一つを,校長室に届けに来ました。以前,登校途中に児童が1,000を拾い,警察に届けたところ3か月後に児童の元に戻ってきたという経験があったものですから,3か月間,私がお預かりすることにしました。そしてカレンダーに,来室した子どもたちと共に返却日を記入しました。その日が,ついに訪れました。実は,お金は2名の4年生が届けてくれました。そこで,昼休みにその2名を校長室に呼び,拾得金を彼らに戻しました。100円を2人に分けて50円ずつ。当然,そんなことは考えませんでした。有名な「大岡裁き」(←ドラマにもなっている,旧南町奉行所 大岡越前之守忠相)の政談の一つ「三方一両損」の話を思い出し,私がポケットマネーから100円を出して,2人に100円ずつ手渡すことにしました。と,いうか,正直なところは,可愛い孫にお小遣いを渡す,おじいちゃんの心境になったわけです。善行をした子に御褒美をあげられる。100円では買えない,大きな喜びです。お金を届けに来た正直者の4年生は,3組の渡邊君と中澤さんの2人でした。その真面目さ,ずっと大事にしてね。
か月後に